2021年1月18日
こんにちは、urasanです。みなさんはゴスペル好きですか?今回はゴスペルが好きな人、ゴスペルを歌っている人には絶対見て欲しい映画を紹介します。邦題『それでも夜は明ける』です。英題は12Years a Slaveです。12年間、奴隷として売られた黒人の物語で事実に基づくストーリーです。
ニューヨークで暮らすソロモン・ノーサップ(主人公)はヴァイオリ二ストとして活躍する自由黒人(法的に奴隷ではなく一定の自由が与えられた黒人)でした。ある日、男2人にワシントンのサーカス公演で演奏してほしいと頼まれます。その2人の男に薬をもられ、意識を失うノーサップはそのまま奴隷としてニューオリンズに売られてしまいます。エップスら白人たちの容赦のない差別と暴力にもノーサップは尊厳を失わず生きていきます。ある日カナダから来た労働者バスと出会い、そして・・・。アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。
白人たちから受ける容赦ない暴力と差別、ノーサップは心折れそうになりながらも尊厳を保ちながら生きていきます。そんな中でゴスペルを奴隷たちと歌うシーンが多く出てきます。農作業をしながら、死者を弔いながら、黒人たちは歌って理不尽な世界を嘆いているようです。
特に印象的だったのは、過労で農作業中に倒れた、年をとった黒人奴隷を奴隷仲間達と農場の片隅に埋めるシーンがありますが、そこで奴隷たちは「Roll Jordan Roll」と歌いはじめます。Roll Jordan Rollは黒人霊歌でうねるヨルダン川を示しています。天国でうねるヨルダン川の音を聞くとき魂は天国にあると歌います。ノーサップは理不尽な環境に置かれ絶望しながら、初めは歌っていませんでしたが、その状況を嘆くように奴隷たちと一緒に歌いはじめます。
この映画は実話をもとにしていて、ゴスペルがどのような状況から生まれてきたのかが描かれています。ゴスペルを歌っている人やゴスペルが好きな人には絶対見てほしい作品です。むごいシーンがたくさん出てきますが、目をそらさずアメリカで黒人たちがどのような歴史を歩んできたのかをぜひ見てほしいです。
アメリカで#BlackLivesMatterが話題となりました。アメリカで彼らが生きてきた現実を知ると心が痛くなります。ゴスペルに、そんな悲しみがあることをこの映画を見て、改めて知ることができました。彼らが苦しく厳しい現実に直面しながら、それでも神様によりたのみ天国への希望を抱いたことに心を打たれました。